銘文『越前守助廣』 種別 脇差 長さ 52センチ 反り 1.0センチ 元幅33ミリ 元重7ミリ 先幅 24ミリ 先重5ミリ 刀身566重量グラム (すべて約です) 東京都県教育委員会
江戸時代の御様御用と言われ刀剣の試し斬り役を務めていた山田家の当主、山田浅右衛門吉睦の大業物差料の一振りと伝わる助広中まさに最高傑作と言える出来栄えです。
独自で創始した濤瀾乱れを、激しく押し寄せる波の如く見事に焼いております。
出来は言うまでもなく超傑作であり健全で、匂口深く、飛び焼き交え、金筋、砂流しを交えるなど、大変明るく最上作の技量を遺憾なく発揮された覇気に満ちた名刀と云えます。
津田越前守助広は知る人ぞ知る名工であり江戸時代延宝頃に摂津国で大活躍した刀工で、新刀最上作にして大業物です。長曽弥虎徹、井上真改などと並び称される新刀を代表する名工の一人で、最上作に名を連ねており、殊に刃の明るさは新刀屈指といわれ、 さらに濤瀾乱れという独自の刃文を創始するに至り一世を風靡しこの新作風は当時の大阪新刀はもとより新々刀期の諸工にまで強く影響をあたえ、今なお彼の名を新刀西の大横綱として不動の地位を築いております。