銘文『無銘』 種別 刀 長さ 63.9センチ 反り 0.6センチ 元幅29ミリ 元重7ミリ 先幅21ミリ 先重5.5ミリ 刀身561重量グラム (すべて約です) 長野県教育委員会
大和国手掻派は東大寺の西の正面にあたる転害門の辺りに居住した事からこの派の名称が起こり、東大寺と深い繋がりがあったものと推測され同派の祖は包永と伝え、初代と鑑せられるものには鎌倉時代中期から後期にかけてと思われ以後同銘数代が継承しています。
また一門は大和物の中では最も繁栄を見せ、室町時代まで及んでおりますが、極めには末がついていないことから鎌倉期より南北朝は間違いないものと思います。
一筋の樋を搔き流す美しい姿の体配で、特有の小板目鍛えに地沸厚くつき、刃文は細直刃に小足入り、刃縁ほつれて砂流しかかり、金筋交じり、沸よくつくなど、非常に健全で出来の優れた一振りです。